世の中は、「AI」や「プログラミング」が流行っています。化学業界にも「AI」や「プログラミング」の波が押し寄せてきています。
化学メーカーに勤務しているけど「プログラミング」のスキルって必要なの?化学と直性関係なさそうだけど?
と考えている人も多いのではないでしょうか?たしかに、研究室や企業で化学の研究を行っている人には「プログラミング」は全く関係のない話に感じると思います。
今回の記事では「化学者にプログラミングのスキルは必要か?」について、現役の化学者が解説します。
【結論】「プログラミング」のスキルは必要
- 化学者も「プログラミング」のスキルは持ってる方が有利
- 「プログラミング」のスキルをもつ化学者の需要は、今後ますます増加する
「プログラミング」のスキルは有用
「プログラミング」の知識があると化学系の仕事をする上でも間違いなく役に立ちます。
従来なら人の手を使わないと行えなかった作業をAIが代行してくれているようになりました。それを実現している技術が「プログラミング」です。
化学の研究業務を行う上で必須となる「データ摂り」「データまとめ」「データ解析」も、プログラミングのスキルを身に付ければ自動化できます。プログラミングスキルを身に付けると、「データ解析」が容易になります。人間の頭では気づけないような「データの規則性」を見つてくれたりするからです。
「プログラミング」のスキルがあれば、働く時間が同じでも「成果量」に大きな差がつくので、取り組まない手はないです。
今後は「プログラミング」のスキルを持っているのが当たり前になる
化学系の企業に就職したい場合、「プログラミング」のスキルが有る人、無い人では、スキルの有る人の方を採用する傾向があります。
企業側の立場から見たれば当然ですが、「プログラミング」のスキルが有る人の方が、同じ時間でも成果を挙げてくれる期待ができるからです。
そのため、今研究室で化学の勉強をしている人は、化学の勉強に加えて「プログラミング」の勉強もしておくことをおすすめします。既に化学メーカーに就職している人でも、成果量で差をつけられてリストラ候補に挙がってしまう前に「プログラミング」の勉強を開始することをおすすめします。
「プログラミング」のメリット
「プログラミング」のスキルを身に付けるメリットは次のようになります。
- 多くの業務を自動化できる
- 「機械学習」を使いこなせるようになる
- 働く時間が同じでも「成果量」が増える
- 転職・独立しやすくなる(化学業界以外にも)
多くの業務を自動化できる
化学の実験をしていると、意外と「データ摂り」と「データまとめ」に時間を取られます。
プログラミングのスキルが有ると、「データ摂り」をある程度自動化できるようになります。「データまとめ」は完全に自動化できたりします。
このように雑務に取られる時間を短縮できるので、「考察」や「次の一手考案」といった人間にしかできない部分に注力する時間を増やすことができます。
プログラミングスキルを身に付けることで、「考察」や「アイディア出し」に時間が使えるようになるため、成果を挙げやすくなります。
「機械学習」を使いこなせるようになる
「機械学習」とは、データ解析技術の一種で、データ間の規則性を見出してくれる技術です。この技術は化学者にとっても大きな武器になります。この便利な「機械学習」はプログラミングによって構築されています。
「プログラミング」を学ぶことで「機械学習」を使いこなせるようになります。「機械学習」を深く学ぶためにも「プログラミング」も是非学んでおいて欲しいです。
「機械学習」の概要を解説した記事は下記。
働く時間が同じでも「成果量」が増える
化学者が「プログラミング」を使う最大のメリットは、多くの雑務を自動化でき、やるべきことに集中できるようになることです。その結果、研究スピードが向上し、多くの成果を挙げられようになります。
周りのライバルに差をつけられないためにも、「プログラミング」のスキルは絶対身に付けておきたいです。
転職・独立しやすくなる(化学業界以外にも)
プログラミングスキルを身に付ければ、化学メーカー以外にも転職しやすくなります。マスターできれば独立も可能です。休日にプログラミングの副業をして、お小遣い稼ぎもできます。
実際私の周りの化学者も「プログラミング」を学んで独立している人が結構います。給料も化学メーカーで働いている時より多くなっている人がほとんどです。しかも、とやかく言われることがなくなり、化学メーカーに勤務している時より気ままに働けている人ばかりです。
今の仕事に不満がある人、もっと気ままに仕事をやりたい人は「プログラミング」の勉強に取り組めば、理想の生活を手に入れられるようになるかもしれません。
「プログラミング」のデメリット
「プログラミング」にもいくつかのデメリットがあります。
- 修得に時間がかかる
- 化学専攻者には、取っ付きにくい数学的な専門用語がでてくることもある
修得に時間がかかる
「プログラミング」を修得するにはそれなりの時間がかかります。集中して学習しても、半年~1年程度の時間がかかると覚悟しておくべきです。
それなりに時間がかかりますが、その価値が十分にあるスキルなので諦めずに習得しましょう。
化学専攻者には、取っ付きにくい数学的な専門用語がでてくることもある
「プログラミング」を深く勉強しようとすると数学的な専門用語が登場します。化学者にはとっつきにくい分野ですので、混乱しがちです。
そのような専門用語を根底から理解していなくても「プログラミング」を使って業務をすることは可能です。あくまでも業務に活用することが目的なので、最初のうちはあまり細かい事は気にし過ぎないで大丈夫です。「プログラミング」に慣れてきたら、深いところまで勉強すればOKです。
化学者におすすめのプログラミング言語
プログラミングには様々な言語あり、それぞれの言語に一長一短がありますが、化学者におすすめのプログラミング言語は下記になります。
- EXCEL VBA
- Python
EXCEL VBA
はじめてプログラミングを学ぶなら「EXCEL VBA」がおすすめです。「EXCEL VBA」はエクセルが入っているパソコンであれば、環境構築が不要で、すぐに使用できます。「EXCEL VBA」には、業務にすぐに活用できる、プログラミングとはどんなものか学ぶのに最適といった特徴があり、化学系以外の人も含めて、はじめてのプログラミングに最もおすすめの言語です。
Python
「Python」は「AI」にも使われている言語で、プログラミング言語の中では比較的わかりやく、取り組みやすい言語です。なおかつ、化学系の業務と相性バッチリの言語です。しかも、これから主流となる「AI」にも使われている言語なので、将来性も高いです。どのプログラミング言語を学ぶか迷ったら「Python」を学ぶことをおすすめします。
「Python」を学ぶために最初に読んで欲しい参考書は下記になります。
「Python」と聞くと難しそうに聞こえると思いますが、この本は「Python」について初歩の初歩から会話形式で、とってもわかりやすく説明してくれているので、最初に読んでみることをおすすめします。「Pythonって意外と簡単かも!」となると思います。
まとめ
「プログラミング」は周りと差をつけたいなら必須のスキルです。今後、「プログラミング」の需要は確実に増加していきます。「プログラミングのスキル」があれば、短時間で多くの成果を挙げられるようになります。プログラミングをマスターすれば、転職・独立もできるようになります。そのくらい強力なスキルです。
「プログラミング」をマスターするのはそれなりに大変ですが、確実にそれ以上のリターンをあなたに与えてくれます。この機会に是非、「プログラミング」に取り組んでみましょう。
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