大学・大学院生で、将来研究職を目指している人も多いと思います。
中には、次のように考えている人も多いのではないでしょうか?
将来、研究職に就きたいけど、どんな風に働いているの?1日のタイムスケジュールは??
企業の研究員ってどうなの??残業が多くて、ブラックだったりしないかな~??
研究職は狭き門です。簡単に就職できない職種です。
苦労して、研究職のポジションを獲得したのに、いざ就職してみて「想像していたのと全然違う・・・。とてもシンドイ!!」みたいになったら最悪ですよね?
この記事では、将来研究職を目指す人・研究職に興味がある人に向けて、「研究職がどんな働き方をしているか?」を、現役の研究員が紹介します。
研究職の主な業務
研究職の仕事内容って何?普段会社でどんなことやっているの?
この質問を、本当にたくさん受けます。
そこで、研究職の主な業務内容を紹介したいと思います。
- 実験
- 書類作成
- 発表資料作成
- 発表・会議
- 出張・顧客訪問
実験
研究職のメインの仕事は「実験」です。
お給料をもらい、会社の予算を使って研究をする以上、一定の成果は必ず求められます。
なので、研究職の多くの人は、この「実験」に大部分の時間を使います。
日によっては、1日中「実験」している日もあります。
この辺は、大学の研究室と大きな違いはありません。
ただし、出世して部下ができたりすると、「部下に実験を任せる」ことが多くなりとがちです。
管理職まで出世すれば、チーム全体のマネージメントに徹して、「研究・実験は部下に任せる」となり、自身で実験をする機会はなくなる人が多いです。
管理職になった場合は、報告会時で自分のチームの進捗を把握し、アドバイスを与えたりするようになります。大学でいうところの先生のポジションですね。
管理職の人は、チームの進捗を上層部に報告するという重要かつ責任の重い仕事をすることになります。
なので、若手のうちは「実験中心」の業務で、出世するほどマネージメント業務が多くなり、実験の機会は減ってくるという形になります
報告書などの書類作成
研究職のもう一つの大きな仕事は「書類作成」です。
研究の進捗報告書、特許、学術論文、新しい研究テーマの提案書などを作成です。
研究に関する書類以外にも、予算に関する報告書、法律に関する書類、安全に関する書類・・・などなど、直接実験とは関係ないような書類もたくさんあります。
研究職でも「研究や実験以外の多様な書類の作成する」必要がある。
これが大学の研究室と大きな違いの1つです。
発表資料の作成
研究内容の発表を行う機会も多くあり、発表用の資料の作成も行います。
発表は、大きく分けて2種類あり、「チーム内での報告会」と「会社全体や外部での発表」です。
大学でも先生への報告会があると思いますが、「チーム内での報告会」は、同じように上司に研究の進捗を報告するで会議です。
普段から一緒に仕事をするチームメンバーと進捗や課題などを共有する場でもあります。
1~2週間に1度程度の頻度で報告会が行われる場合が多いです。
このようなチーム内で行われる発表は、「小さい会議」になります。
「会社全体や外部での発表」は、チームメンバー以外の研究員、他部門の人(営業や製造などの人)、上層部(偉い人)、社外の人に研究内容や進捗を報告する場合もあります。
多い時では50人以上の前で発表する場合もあります。
こういった発表は、営業さんや製造の人のような「専門外」の人にも「研究内容」と「研究の意義」をわかりやすく説明する必要があります。
「専門外の人にもわかりやすい資料作り」は、研究職の腕の見せどころのひとつです。
そのため、チーム内での発表よりも資料作りに力を入れることになります。上司の発表資料のチェックも力が入ると思います。
1年に1~3回程度の頻度で、このような大きな発表の場があります。
大学の研究室でいうところの、卒論発表、修論発表に近いイメージです。
こういった発表のための資料を準備することも研究職の大切な仕事の一つです。
発表・会議
作成した資料を用いて、実際に発表します。
発表時には、自分の研究テーマについて、精通していない人にも、研究内容をわかりやすく説明し、研究が上手くいった暁には、どんな良いことが待っているのかを上手く説明する必要があります。
こういった発表でうまく説明・報告できる人は、評価が上がりやすいです。
逆に言うと、どんなに良い実験をしても、うまく報告できなければ、評価されません。
なので、「発表資料の作成」はもちろん、この「発表」にも全力で臨むことになります。
出張・顧客訪問
研究職は出張をすことも多々あります。
学会で発表・聴講に出かけることはもちろん、ユーザーの要望や悩みを調査するために、顧客を訪問することもあります。
出張の主な理由は、研究や技術に関することがほとんどです。他社の研究員とも触れ合い、情報交換をすることもあります。
研究職といえど、研究所に閉じこもるだけでなく、積極的に外に出て、情報収集や人脈作りをする必要があります。
研究職の1日:出社編
ここからは、私の1日の流れを簡単に紹介します。
多くの企業でフレックス制度が採用されています。
私が勤務する研究所でもフレックス制度が採用されています。そのため、出社時間は、人によってバラバラです。
「お子さんを保育園などに送る必要のある人」や「朝に弱い人」は、遅めの出社をすることが多いです。
もちろん、朝一番に会議などの用事があれば、その時間に出社する必要があります。
ただし、多くの企業では、ライフ・ワークバランスを考慮して、朝一や定時以降の会議は実施しないようにされていると思います。
このように、その人のライフスタイルに合わせて出社時間を決められるのも研究職の魅力の一つかもしれません。
- ライフ・ワークバランスを考えて、出社時間を調整できる
研究職の1日:AM編
基本的に、自分の担当テーマの実験をしています。
実験の合間に、期限の近い報告書・書類・発表資料を作成したりします。
関連部署(営業・製造など)やユーザーと電話やメールで連絡を取り合ったりすることもあります。
「ノルマ」や「やらなくてはならないこと」は沢山ありますが、スケジュールの管理は個人に任されることがほとんどです。
上司から、細かくタイムスケジュールを指定されることはほとんどありません。
成果をあげられるのであれば、AMに集中的に仕事をして、PMはゆっくり仕事をしても問題ありません。
成果をあげられるのであれば、自分のペースで仕事を進めやすいというのは研究職のメリットです。
研究職の1日:PM編
昼休みを挟んで、PMからは、「実験」の続きを行っていきます。
私の勤務する研究所では、午後に会議があることが多いので、会議に出席することも多いです。
作成した資料を使って、報告に臨む場合もあります。
先ほど述べた通り、上手に「発表」できるかが評価に直結するので、緊張しながら望んでます。
1日の予定の実験が終われば、帰宅します。
予定より、遅れていれば残業をする場合もあります。
逆に、速めに予定の実験が終了すれば、フレックスfはやめに退勤する場合もありますし、予定を前倒しして、明日の分の実験に取り掛かることもあります。
このように、自分の裁量で帰宅時間をある程度決められるのも研究職の魅力です。
ここまで、自分のペースで仕事を進められると言いましたが、もちろん一定の成果を上げることが前提です。
ゆるいペースで仕事を進めて、成果を上げられなくても良いとうことではないので、そこはよーく理解していおいてください。
- 細かなタイムスケジュールは自分で決められる
- ただし、成果を上げることが大前提!
研究職の1日:まとめ
今回は、企業の研究員の1日を紹介しました。
ここまでで、紹介したように研究職では、自分でタイムスケジュールを決定しやすいというのが魅力の一つだと思います。
一方で、自分の裁量で仕事のペースを決定できるということは、その分、責任も大きいということでもあります。
ゆるすぎるペースで仕事を進めて、万一、成果を上げられなかった場合は、最悪クビにされても文句は言えません。
なので、しっかり考えた上で仕事を進められる人、成果にこだわれる人は、研究職に向いていると言えます。
ここまで読んで、「研究職」に少しでも興味を持った人は、是非「研究職」という職種を検討してみてください。
- 出社時間、帰宅時間はあるていど融通がきく
- 細かなタイムスケジュールも自分で決める
- 成果を上げることが必須!
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