【有機人名反応 そのしくみとポイント】人名反応を初めて学ぶならコレ!【レビュー・概要・難易度・使い方】

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化学

「有機化学」には「人名反応」というものがあります。「人名反応」とは、その反応を開発した人の名前を冠する有機反応のことです。有名どころで言うと「鈴木-宮浦反応」等です。

定期テストや院試で「人名反応」自体が問われることはまずありません。しかし、研究室に配属され、論文を読んだり、報告会を行っていると必ず「人名反応」が出てきます。このような時に「人名反応」が未学習だと、論文が理解できなかったり、議論についていけなくなったりします。

人名反応を未学習の人は「人名反応っていどう学べばよいの?」と疑問に感じると思います。そんな方は次の本で「人名反応」を学習することをおすすめします。

この記事では、「有機人名反応 そのしくみとポイント」の概要・特徴・レベル・優れた点を紹介します。

大学で使うような専門書は高いですよね?こういった専門性の高い教科書を少しでも安く購入したい人は、次の記事を参考にしてください。

「有機人名反応 そのしくみとポイント」の概要・特徴

「有機人名反応 そのしくみとポイント」の特徴は下記のようになります。

  • 頻繁に使われる代表的な「人名反応」がコンパクトに網羅されている!
  • 「反応機構の解説」「具体例」がGOOD!
  • 「人名反応」を初学者がこの本から始めれば間違いない!
難易度基礎~標準
解説反応機構の解説/具体例の紹介あり
到達レベル人名反応の勉強はこれで十分
独学しやすさ★★★★
おすすめ度★★★★

定期テスト・院試で「反応名」を問われることはありません。「人名反応」を学ぶ目的は、論文・議論の中で「人名反応」が出てきた時に瞬時に理解できるようになることです。

「有機人名反応 そのしくみとポイント」では、頻繁に使われる代表的な「人名反応」がコンパクトに網羅されているので、この一冊で「人名反応」は十分です。

本のサイズもコンパクトで開きやすく、各反応の機構の解説もあり、初学者に使いやすい構成になっています。はじめて「人名反応」を学ぶ人は「有機人名反応 そのしくみとポイント」を選んでおけば間違いないです。

「有機人名反応 そのしくみとポイント」の目次

「有機人名反応 そのしくみとポイント」の目次は下記のようになります。

「有機人名反応 そのしくみとポイント」の目次

第1部 有機反応の基礎
 1 有機反応の原動力
 2 酸と塩基
 3 飽和化合物の求核置換反応
 4 脱離反応
 5 芳香族化合物の求電子置換反応、求核置換反応
 6 アルケンへの求電子付加反応
 7 カルボニル化合物への求核付加反応
 8 フリーラジカルの反応
 9 ペリ環状反応


第2部 有機人名反応
 1 置換反応
 2 酸化反応
 3 還元反応
 4 脱離反応
 5 アルキル化反応
 6 転位反応
 7 金属を用いたカップリング反応
 8 芳香環の反応
 9 芳香族複素環の構築反応
 10 フリーラジカル反応
 11 ペリ環状反応

第1部では、有機反応の基礎を簡単に解説してくれます。教科書を学び終わった人であれば復習がてら短時間で読破できる難易度・分量です。わからない部分があれば、必ず教科書に戻って確認するようにしましょう。

第2部から、「人名反応」の紹介・解説が始まります。目次からもわかるように、有機化学で使われる反応がほぼ網羅されています。多くの人名反応が紹介されていますが、その全てに反応機構の解説・具体例があり、学習を進めやすい構成になっています。

「有機人名反応 そのしくみとポイント」の対象者

「有機人名反応 そのしくみとポイント」は次の様な人におすすめです。

対象者
  • 大学レベルの教科書を一通り学んだ人
  • 有機化学の研究室に配属された人
  • 有機化学を専門にしたい人

大学レベルの教科書を一通り学んだ人

「有機人名反応」を覚えること自体が「有機化学を勉強する目的」ではありません。有機化学の目標は、有機化学の理論・反応機構を体系的に学び、望みの化合物を自在に合成できるようになることです。人名反応のみを暗記したところで、これらの能力は養われません。「有機人名反応」を学ぶ目的は、あくまで論文・議論の中で、人名反応が出てきた場合、瞬時に理解できるようになるためです。

そのため、まずは大学の教科書で有機化学の理論/反応機構を一通り勉強し、その後に「有機人名反応 そのしくみとポイント」で勉強することをおすすめします。

下記の記事で紹介している「初級レベル」の教科書まで勉強した後に「有機人名反応 そのしくみとポイント」で「有機人名反応」の学習に取り組むことをおすすめします。

有機化学の研究室に配属された人

研究室に配属され、論文を読むようになると「有機人名反応」が頻繁に出てきます。また、議論の中で「有機人名反応」が出てくることも多いです。そのような時、「有機人名反応」を勉強していないと話についていくことができません。

そのため、有機化学系の研究室に配属される予定の人は「有機人名反応」を勉強しておく意義があり、その最初の1冊として「有機人名反応 そのしくみとポイント」がおすすめです。

有機化学を専門にしたい人

上記と同様の理由で「有機人名反応 そのしくみとポイント」がおすすめです。

「有機人名反応 そのしくみとポイント」の良い点・メリット

メリット
  • 代表的な人名反応を網羅
  • コンパクトにまとまっている
  • 反応メカニズムの解説・具体例もありわかりやすい

代表的な人名反応を網羅

「有機人名反応 そのしくみとポイント」は代表的な反応・論文や議論の中で頻出する人名反応が網羅されています。「有機人名反応 そのしくみとポイント」に載っている人名反応を覚えれば、人名反応の勉強は十分です。この本に載っていない人名反応は、細かすぎて覚える必要はないと思います。

ただし、「有機人名反応 そのしくみとポイント」に載っている人名反応は、どれも重要な反応なので、1つも漏らさず覚える気で学習しましょう。

コンパクトにまとまっている

人名反応の書籍は分厚く、持ち運びや開くことが億劫になるものが多いです。そんな中で「有機人名反応 そのしくみとポイント」はサイズがコンパクトで本を開くハードルが低いのも大きなメリットです。

反応メカニズムの解説・具体例もありわかりやすい

「有機人名反応 そのしくみとポイント」では人名反応の紹介の後に、反応機構とその解説、具体的な反応例が記載されています。

有機化学では、反応機構を理解することが最も重要なので、その解説があることは大きなメリットです。また反応例も紹介されているため、実際の使われ方・使用される溶剤・官能基許与性なども知ることができます。

「有機人名反応 そのしくみとポイント」の悪い点・デメリット

デメリット
  • いきなり使うべきではない
  • 演習問題がない

いきなり使うべきではない

「有機人名反応」を覚えること自体が「有機化学を勉強する目的」ではないため、まずは大学の教科書で有機化学の理論や反応機構を勉強するべきです。

ある程度、有機化学の理論や反応機構を抑えた後に「有機人名反応 そのしくみとポイント」で勉強することをおすすめします。

下記の記事で紹介している「初級レベル」の教科書まで勉強した後に「有機人名反応 そのしくみとポイント」で「有機人名反応」の学習に取り組むことをおすすめします。

演習問題がない

有機化学を勉強する際は、インプットの後にアウトプット(問題演習)を行うことが重要です。しかし、「有機人名反応 そのしくみとポイント」には、演習問題が付いていないので、アウトプットができないのが弱点です。

「有機人名反応 そのしくみとポイント」の使い方①

「有機人名反応 そのしくみとポイント」には、おすすめの使い方が2つあります。1つ目は王道の使い方で万人向けの使い方です。

使い方①
  1. 基礎~標準レベルの教科書の内容を身につける
  2. 第1部「有機化学の基礎」を通読し、基礎事項を復習
  3. 第2部「有機人名反応」に進み、反応名を確認し、反応機構を予想する
  4. 最後まで終わったら周回する(超重要)
  5. (できれば)最終の「検索」ページに記載の反応名を見て「反応式」と「反応機構」が思い浮かぶか確認する

「有機人名反応 そのしくみとポイント」を学ぶ前に教科書で有機化学の基礎~標準事項を学んでください

「有機人名反応 そのしくみとポイント」は、初歩から有機化学を解説してくれる教科書ではなく、問題集です。そのため、有機化学の基礎~標準事項を習得できていない人は解説を読んでも理解できないと思います。

下記の記事の中級レベルの教科書までは勉強した後に「有機人名反応 そのしくみとポイント」に取り組むことをおすすめします。

第1部「有機化学の基礎」を通読し、基礎事項を復習

「有機人名反応 そのしくみとポイント」には、人名反応の解説に入る前に、「有機化学の基礎」と題して、基礎事項を簡単に解説してくれる章があります。まずはこの章を通読しましょう。有機化学の基礎を勉強している人であれば、簡単に理解できるものばかりですが、わからないことがあったら必ず教科書に戻って確認するようにしましょう。

第2部「有機人名反応」に進み、反応名を確認し、反応機構を予想する

第1部の「有機化学の基礎」を学習し終えたら、第2部の「有機人名反応」に進みます。いよいよ、人名反応の勉強を開始します。

「反応名」の下に「反応式」が書かれているので確認し、「人名反応」と「反応式」を対応させながら覚えるようにしましょう。この際、「反応式」から「反応機構」を予想しましょう。「反応式」の下に「反応機構」と「解説」が記載されているので、予想した「反応機構」が正解か確認しましょう。間違っていた場合は、正しい反応機構を覚えるようにしましょう。

この「反応機構の予想」を行うことで、人名反応を覚えられるのと同時に、反応機構を推測したり、反応機構を書く力が飛躍的に伸びるので、必ず行うことをおすすめします。

最後まで終わったら周回する(超重要)

最後まで、終わったら、もう1度と最初から解きなおしていきましょう。

1周しただけでは、確実に覚えられないので、何度も周回しましょう。3~5周すれば、誰でも確実に覚えられます。周回を重ねる毎に周回スピードが増すので、短時間で周回できるようになります。

(できれば)最終の「検索」ページに記載の反応名を見て「反応式」と「反応機構」が思い浮かぶか確認する

「有機人名反応 そのしくみとポイント」の最終ページには、「検索」ページがあります。そこには、アルファベット順に「人名反応」が書かれています。

マストではないですが、検索ページの「人名反応」を見て「反応式」と「反応機構」が思い浮かぶか確認しましょう。

この検索ページにある「人名反応」から、「反応式」と「反応機構」が思い浮かぶようになれば「有機人名反応 そのしくみとポイント」は完璧にマスターできています。

「有機人名反応 そのしくみとポイント」の使い方②

もう一つ、私が実践したおすすめの使い方を紹介します。方法はとても簡単です。

使い方②
  • ひたすらパラパラめくりながら読む

1ページ当たり30秒程度でパラパラ見ていきます。1ページ30秒以内で読んでいくので、1回じゃ絶対覚えられないし、とても多く周回する必要があります。

ただ、パラパラめくるだけなので、非常に楽に勉強できます。動画を見ながらパラパラめくっていただけですが、30周程度したら、6~7割覚えられました。50周程度で、誰でも完璧にできます

「有機人名反応 そのしくみとポイント」の到達レベル

到達レベル
  • 論文を読んでも困らないレベル
  • 研究室に配属されてもやっていけるレベル

論文を読んでも困らないレベル

「有機人名反応 そのしくみとポイント」をマスターすれば、代表的な「有機人名反応」は完璧に覚えられ、「反応機構」に関する知識も向上するので「論文」も読み進めることができるようになります。

研究室に配属されてもやっていけるレベル

研究室に配属されると、先生や同期と研究に関する議論を重ねることになります。その際は「人名反応」が出てきても困らないレベルになり、話が理解できたり、議論できるようになります。

「有機人名反応 そのしくみとポイント」の次

「有機人名反応 そのしくみとポイント」をマスターすれば「人名反応」に関する勉強は十分です。もし、「有機人名反応」をもっと深く学びたいという人には下記がおすすめです。

この「人名反応に学ぶ 有機合成戦略」は、もっとも詳しい「人名反応」の教科書の1つで、分量も多いです。そのため、1ページ目から学習を進めるというより、辞書的に使う方が良いと思います。

「人名反応に学ぶ 有機合成戦略」は、非常に詳しく、優れた本なので、「有機化学」を本格的に学びたい人、研究者を目指す人は、手元に置いておきたい1冊です。

「演習有機反応」のまとめ

「有機人名反応 そのしくみとポイント」を紹介してきましたが、その概要をもう一度述べておきます。

  • 頻繁に使われる代表的な「人名反応」がコンパクトに網羅されている!
  • 「反応機構の解説」「具体例」がGOOD!
  • 「人名反応」を初学者がこの本から始めれば間違いない!

「人名反応」自体は、院試で問われることはありません。ただし、論文や議論の中では頻繁に使われます。つまり、「人名反応」をしっかり覚えていないと議論についていくことができません。

「有機人名反応 そのしくみとポイント」をマスターしておけば、議論についていけないということはなくなります。まだ「人名反応」を本格的に勉強していない人は「有機人名反応 そのしくみとポイント」から始めてみることをおすすめします。

大学で使うような専門書は高いですよね?こういった専門性の高い教科書を少しでも安く購入したい人は、次の記事を参考にしてください。

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