「一流の有機化学者」になるための方法【教科書ルート・やること】

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化学

この記事では、最短で効率的に「一流の有機化学者」になるための「教科書ルート・その他のやること」をまとめました。「一流の有機化学者」を目指す人の参考になれば幸いです。

一流の有機化学者の条件

「一流の有機化学者」とは、どんな人のことでしょうか?「一流の有機化学者」とは、次のような人のことだと考えています。

  • 有機化学の基本事項を完全に理解している
  • 自分の研究分野・関連分野の研究には世界一詳しい
  • 望みの化合物を自在に合成できる

有機化学の基本事項を完全に理解している

「一流の有機化学者」は、有機化学の基本事項をしっかり理解できています。基本事項というのは、教科書レベルの内容のことです。また、教科書を読み込んでいるだけではなく、問題集を用いた問題演習・反応機構を書く練習もしっかりこなしている必要があります。

「教科書の内容の理解」「問題演習」「反応機構の訓練」にしっかり取り組めば、最新の論文の内容も十分理解できるようになります。

「一流の有機化学者」は、これらのことを当たり前のように理解できています。「一流の有機化学者」を目指す人は、教科書・問題集を用いた勉強を完璧にこなしましょう。

自分の研究分野・関連分野の研究には世界一詳しい

「一流の有機化学者」は、基本事項を理解できているだけではなく、自分の行っている研究関連の事項に精通しています。世界一詳しいと自信を持って言えるほど、徹底的に調べ尽くしています。

「一流の有機化学者」を目指す人は、自分の研究分野については徹底して勉強する習慣を身につけましょう。

望みの化合物を自在に合成できる

「一流の有機化学者」は合成したいと思った化合物を自在に合成できます。大学や企業で研究を行っていると、新しい化合物を合成する必要が必ずでてきます。このような時に、欲しい分子を自在に合成できる人は「一流の有機化学者」です。

この際、合成ルートを考案するだけでなく、合成操作・精製操作の簡便性、コストなども考慮できる必要があります。

「一流の有機化学者」になるためのやることリスト

有機化学者として、一流になるための「やることリスト」を次のようになります。

やることリスト
  • 教科書を精読
  • 問題演習・反応機構を書く練習をする
  • 逆合成解析の勉強をする
  • 実験を一生懸命行う
  • 論文を読む

やらなければならないことはシンプルです。「教科書を読んで理論を身につける」「問題演習を行う」「実験を一生懸命行う」「論文で色々な知識を身につける」です。この順番は極めて重要ですので、順番通りに確実にこなしてください。

次以降で、実際に私が使用した教科書・問題集を紹介しながら、詳細を述べます。

教科書を読む

まずは、教科書を読んで有機化化学の「理論」を学んでいきましょう。この際注意しなければならないことは、「いきなり難しすぎる教科書から始めない」ことです。いきなり難しすぎる教科書を読んでも、述べられている内容が理解できず、時間の無駄になります。そのため、最初は基礎レベルの教科書からひとつづつこなしていきましょう。

私が使用した教科書は次のものです。

この「ボルハルトショワー 現代有機化学」で有機化学の基礎~標準事項を学びました。もちろん、章末の問題も繰り返し解き、確実に知識を身に付けていきました。この「ボルハルトショワー 現代有機化学」を学び終えれば、有機化学の基本レベルは抑えらていると思います。

「ボルハルトショワー 現代有機化学」を完成させた後は、もう1段レベルの高い教科書に取り組みました。

この「ウォーレン有機化学」まで勉強すれば、有機化学の理論はほとんど理解できていると思います。

問題演習・反応機構を書く練習をする

教科書で「有機化学の理論」を学んだら、次は「問題演習」を行いましょう。インプットした知識を「問題演習」を通して、アウトプットすることで確固たる知識になります。

注意点としては、「教科書を読む」時と同じで、「いきなり難しすぎる問題集から始めない」ことです。基礎レベルの問題集から着実にステップアップしていきましょう。私が使用した問題集は次です。

この問題集で演習すれば、基礎~標準レベルの知識が身につきます。

ここまで完成した後には、次の問題集に取り組みました。

この問題集は、超高難度です。ここまで解けるようになれば、「基本事項は完全に理解している」と自信をもって良いと思います。このシリーズは、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの3冊ありますが、どれか1つやれば十分です。特にⅡが難易度が高く、網羅度も高いのでおすすめです。

「問題集」と同時に、次のものを使って「反応機構を書く練習」にも取り組みました。

「反応機構を書く力」は研究を進めていく中でも必須の力です。そのため、絶対に取り組んでおきましょう。この問題集で反応機構を書くトレーニングを重ねれば、初見の反応でも反応機構を予想できるようになります。自分の研究でも、生成物を予想する上でとても役に立つでしょう。

逆合成解析の勉強をする

教科書を精読し、問題演習・反応機構にも取り組んだ後は「逆合成解析」の勉強もしましょう。「逆合成解析」を勉強することで、望みの化合物の合成ルートを考案できるようになります。「逆合成解析」を勉強するために最適な教科書は次のもになります。

この教科書は、「逆合成解析」を基礎から丁寧に、解りやすく解説してくれます。しかも、網羅性も高いです。逆合成解析はこの1冊で決まりだと思います。ただし、基礎的な反応は理解しているものとして解説が進むので、基礎レベルの教科書は学習した後に読むようにしましょう。

実験を一生懸命行う

学部4年生になったら、研究がはじまると思いますが、与えられたテーマの研究は一生懸命取り組んでください。研究を一生懸命行うことで、「実験操作」「テーマの進め方」「化学の考え方」が身につきます。

この3つは、化学者として絶対に必要な能力です。この能力は、一生懸命研究に取り組んだ人にしか身に付けることができません。

論文を読む

ここまでのことをある程度やってきたら「論文」を読んでいきましょう。ここまでのことをしっかりこなしてきた人であれば、「論文」の内容も理解することができるようになっているはずです。特に自分のテーマ関連の論文は、全て読み尽くすつもりで徹底的に調べて、読み込みましょう。

おすすめの論文の選び方としては、「全合成の論文」で、これまで勉強してきた反応を復習しながら論文を読むことです。反応機構、立体制御、位置選択性に着目しながら読むと新たな知識が身に付きます。もちろん、うる覚えの反応が出てきたら「教科書」に戻って確認し、知らない反応に出くわしたら、リファレンスなどを駆使して、元論文を読み込み、反応機構を含めてしっかり勉強しましょう。

もちろん、これと同時に自分の研究領域の論文は徹底的に読んでいきましょう。

まとめ

今回紹介した「やることリスト」を確実にこなしていけば、間違いなく「一流の有機化学者」になれます。やること自体は至ってシンプルです。ただし、全てやり込むには「かなりの時間」と「忍耐力」が必要になります。大変ですが「一流の有機化学者」になるために頑張ってやり切ってください。

実際、今回紹介したことを全てやり切れている人はほとんどいません。「座学は一生懸命取り組んでいるけど、実験はそんなにやっていない」という人や、逆に「実験は一生懸命やってるけど、勉強はしていない」という人がほとんどです。

そのため、今回紹介した内容を全てやり切れば、確実に周りに差をつけることができます。このことを胸に苦しい時も頑張り抜いてください。健闘を祈っています。

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