「ボルハルト・ショアー」と「マクマリー」、どっちの教科書を使えば良いの?
「ボルハルト・ショアー」と「マクマリー」は、どちらも定評のある有機化学の教科書です。どちらも定番な教科書だけに上記のような疑問を抱く人も多いはず。
この記事では、それぞれの特徴やメリット・デメリットを比較し、どのような人に向いているのかを解説します。
結論:要点を知りたい人は「マクマリー」、深く学ぶなら「ボルハルト・ショアー」
先に結論を述べると、次のようになります。
- マクマリー:短時間で要点を学びたい人
- ボルハルトショアー:理論から深く学びたい人
具体的にそれぞれのおすすめの人を説明すると、以下の様になります。
マクマリーがおすすめな人
「マクマリー有機化学」は下記のような人におすすめです。
- 有機化学を初めて学ぶ
- 有機化学が苦手
- 医・薬・農・生命系の学生
- 単位を取りたい
ボルハルト・ショアーがおすすめな人
一方、「ボルハルト・ショアー現代有機化学」は下記のような人におすすめです。
- 化学科の学生
- 有機化学を深く理解したい
- 大学院進学を考えている
- 研究にも使える知識を身につけたい
なぜ上記のおすすめになるのか、以降で詳しく解説していきます
「マクマリー有機化学」の特徴
上記のおすすめになる理由を解説するために「マクマリー有機化学」と「ボルハルト・ショアー現代有機化学」それぞれの特徴を述べていきます。
まずは、「マクマリー有機化学」の特徴は下記です。
- 「重要事項」に絞った解説
- とても読みやすい教科書
「マクマリー有機化学」の魅力は「重要事項に絞った解説」と「圧倒的な読みやすさ」です。
細かな理論は置いておいて、確実に抑えておくべき「要点」を中心に理解しやすく解説してくれるため、短時間で有機化学の概要を抑えることができます。
「マクマリー有機化学」の詳細は下記記事で解説していますので、興味ある人は是非ご覧ください。
次に「マクマリー有機化学」を使うことのメリット・デメリットを解説します。
「マクマリー有機化学」のメリット
「マクマリー有機化学」を使うことのメリットは下記のようになります。
- 全体像を理解しやすい
- 初学者が挫折しにくい
- 医療・生命系との相性が良い
1. 全体像を理解しやすい
有機化学を理解するには、細かな理論は置いておいて、要点を確実に抑え、全体像を把握することが大切です。「マクマリー有機化学」では、要点に絞って解説が進むため、全体像を短時間で把握できます。
そのため、「マクマリー有機化学」は、要点がどこか判断できない有機化学初学者にとてもおすすめの教科書です。
2. 初学者が挫折しにくい
「マクマリー有機化学」は文章が読みやすく、図も豊富です。
そのため、有機化学が苦手な人でも挫折することなく、読み切ることができる教科書です。
3. 医療・生命系との相性が良い
「マクマリー有機化学」は、生体分子や実例も多く、医・薬・生命科学系の学生に適しています。また、単位を取得できれば十分という人や細かな理論まで学ぶ必要がない人には必要十分な内容がコンパクトにまとめられており、最適な教書になります。
「マクマリー有機化学」のデメリット
- 理論の深さはやや控えめ
- 応用力が不足する場合がある
理論の深さはやや控えめ
「マクマリー有機化学」は、要点に絞って解説が進みます。そのため、「なぜその反応が起こるのか」「どういった状況でその反応が起こるのか」といった深い解説にまでは踏み込んでいません。
そのため、「有機化学反応」の根底までは理解できない場合があります。
応用力が不足する場合がある
上記と同じ理由でそのため、自分で実験を行う場合などには、知識が不足する可能性があります。自分で実験を行うようになると、未知の反応に出会う機会はとても多いのですが、そういった場合に反応機構を考えたり、より良い反応条件を選定する力が足りない場合があります。
「ボルハルト・ショアー有機化学」の特徴
「ボルハルト・ショアー現代有機化学」の特徴は下記です。
- 「反応機構」や「理論」の解説が詳しい
- 研究レベルに繋げやすい
「ボルハルト・ショアー現代有機化学」は「反応機構」や「有機化学の理論」に関する解説が詳しい教科書です。「反応機構」と「理論」を深く学ぶことができるため、応用のきく知識が身につき、到達レベルが高いです。
「ボルハルト・ショアー現代有機化学」の詳細は下記記事で解説していますので、興味ある人は是非ご覧ください。
次に「ボルハルト・ショアー現代有機化学」を使うことのメリット・デメリットを解説します。
「ボルハルト・ショアー有機化学」のメリット
- 応用力が身につく
- 研究レベルにつながる
1. 応用力が身につく
「ボルハルト・ショアー現代有機化学」は、「有機化学の理論」や「反応機構」を深く解説してくれるため、応用のきく知識が身につきます。また、「理論」と「反応機構」を理解することで、より高難度の事項を学習するためのベースも完成します。
有機化学のラボで研究を行うようになると応用力やより深い知識が求められるおようになります。
そのため、深く有機化学を学びたい人・化学科の人・将来的に有機化学のラボに入る予定の人には「ボルハルト・ショアー現代有機化学」の方がおすすめです。
2. 研究レベルにつながる
研究者レベルに到達するには、「ボルハルト・ショアー現代有機化学」の内容よりも更に高難度の事項も学習する必要があります。
「ボルハルト・ショアー現代有機化学」は、「有機化学の理論」や「反応機構」を深く解説してくれるため、高難度の事項を学ぶ際の土台ができあがります。つまり、「ボルハルト・ショアー現代有機化学」で学習して多くことで、研究者に求められるような高難易度の事項も理解が容易になります。
そのため、将来的に研究者になりたい人には「ボルハルト・ショアー現代有機化学」の方がおすすめです。
デメリット
次に「ボルハルト・ショアー現代有機化学」の悪い点を解説します。
- 情報量が多い
- 時間がかかる
- 医・薬・農・生命系の学生、定期テストだけの人にはオーバースペック
情報量が多い
「ボルハルト・ショアー現代有機化学」は、「有機化学の理論」や「反応機構」を深く解説してれる教科書であるため、情報量が多いです。
そのため、有機化学が苦手という人はどこが要点かわからず、戸惑ってしまうことがあります。
時間がかかる
上記の様に、「ボルハルト・ショアー現代有機化学」は情報量の多い本であるため、読み切るのに時間がかかります。
時間がかかるため、最後まで読み切ることができず、途中で挫折してしまう可能性があります。
医・薬・農・生命系の学生、定期テストだけの人にはオーバースペック
「ボルハルト・ショアー現代有機化学」は比較的レベルの高い教科書であるため、定期テストを乗り越えて単位を取れれば十分という人にはオーバースペックになりがちです。
また、同様の理由で、医・薬・農・生命系の学生のような有機化学の基礎を学べば十分という人にも「ボルハルト・ショアー現代有機化学」はオーバースペックになる場合があります。
「マクマリー」と「ボルハルト・ショワー」の比較表
最後に「マクマリー有機化学」と「ボルハルト・ショアー現代有機化学」の比較表は記します。
| 項目 | マクマリー | ボルハルト・ショアー |
|---|---|---|
| 難易度 | 標準 | やや高い |
| 読みやすさ | ◎ | ○ |
| 初学者・苦手な人向け | ◎ | △ |
| 理論・反応機構の深さ | ○ | ◎ |
| 独学のしやすさ | ◎ | △ |
| 定期テスト | ◎ | △(オーバースペック) |
| 院試対策 | ○ | ◎ |
上記の比較表を参考に自分のケースに合う方を選んで下さい。
まとめ
この記事では、「マクマリー有機化学」と「ボルハルト・ショアー現代有機化学」の比較を行いました。どちらも定評のある良い教科書です。
どちらを使えばよい?のおすすめは下記のようになります
- マクマリー:短時間で要点を学びたい人
- ボルハルトショアー:理論から深く学びたい人
もう少し具体的に説明すると、「マクマリー有機化学」は下記のような人におすすめです。
- 有機化学を初めて学ぶ
- 有機化学が苦手
- 医・薬・農・生命系の学生
- 単位を取りたい
一方、「ボルハルト・ショアー現代有機化学」は下記のような人におすすめです。
- 化学科の学生
- 有機化学を深く理解したい
- 大学院進学を考えている
- 研究にも使える知識を身につけたい
マクマリーは初学者に向けた優れた入門書であり、ボルハルト・ショアーは高みを目指す人のための名著と言えるでしょう。
この記事が、有機化学の教科書選びの参考になれば幸いです。






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