有機化学を学んでいく上で、最も大切なことは「反応機構を書けるようになること」です。
有機反応機構を勉強すれば、初見の反応でも生成物を予想できるようになります。自分の研究テーマを進める上でも、「反応機構を書く力」は、大きな武器になることは間違いありません。
優秀な研究者は、例外なく、反応機構を深く理解しており、「反応機構を書くこと」が得意です。
つまり、優秀な研究者になるために、「反応機構を書く力」は必須です。
これまで「反応機構を書く力」が乏しく、途中で脱落していった研究者を何人も見てきました。研究者を目指す人、既に研究者として働いている人は、必ず「反応機構を書く力」を身につけましょう!
しかし、次のような悩みをかけている人も多いのではないでしょうか?
有機反応機構の勉強方法がわからない!教科書に書かれている巻矢印を暗記するだけになってる!
教科書の反応機構は暗記した!けど、初見の反応の反応機構を書けるようにならない!
このような人は、要注意です。
有機反応機構の書き方は、教科書の巻矢印(電子の移動)を単純に暗記するだけでは身につきません!
「なぜこのような反応機構が書けるのか?」という「反応機構の書き方の本質」を理解しないと、初見の反応の機構を書けるようになりません。
「反応機構の書き方の本質」を理解するためには、参考書「有機反応機構の書き方」を使って、勉強することをおすすめします。
この記事では、現役の有機化学の研究員が、参考書「有機反応機構の書き方」の概要・レベル・使い方を紹介します。
「有機反応機構の書き方」の概要
参考書「有機反応機構の書き方」の特徴は次のようになります。
- 「なぜこのような反応機構がかけるのか?」を丁寧に解説してくれる本
「このような官能基や条件がそろった場合、このように電子移動する。なぜなら・・・」といった様に、反応機構の本質を解説してくれます。
「反応機構の書き方の本質」を教えてくれるので、初見の反応でも「自分で反応機構を書き、生成物を予想できる力」が身につきます。
参考書「有機反応機構の書き方」には、反応機構の書き方の説明だけでなく、練習問題も豊富に記載されています。
有機化学の力を効率よく伸ばすには、「反応機械の書き方を理解し、インプットする」→「インプットした反応機構の書き方を練習問題でアウトプットする」という流れが最適です。
参考書「有機反応機構の書き方」を使って勉強すれば、この最適な勉強方法を自然と実践できます。
参考書「有機反応機構の書き方」を使って、上記の様に勉強することで「初見の反応の反応機構」も予想できるようになります。
「初見の反応の反応機構」を予想できるようになれば、大学の定期テストは余裕で突破できるようになり、旧帝大院の院試などの難易度の高い試験でも突破できるようになります。
それだけではなく、自分で研究する立場になっても、「新規反応を発見しやすくなる」、「研究している反応の望まぬ副反応を抑えるような反応条件が予想できるようになる」といったことができるようになり、研究者として1歩成長できます。
参考書「有機反応機構の書き方」は、難関試験の突破や優秀な研究者になるためのノウハウが詰まった本です。
「有機反応機構の書き方」のメリット
- 反応機構の書き方を理解できる
- 練習問題でアウトプットできる
- カバー範囲が広い
反応機構の書き方を理解できる
一般的な教科書を使って勉強していると、載っている反応の機構を単純に暗記するだけで終わってしまう場合が多いです。
代表的な反応の機構を単純暗記するだけでは、初見の反応を予想できるような力は身につきません。代表的な反応の機構を単純暗記するだけでは、応用力のない知識しか身につきません。
これまでに、反応機構を単純暗記し「全く応用力のない人」をたくさん見てきました。
一生懸命勉強したのに、応用力が1ミリも付かないとなると悲しいですよね?
参考書「有機反応機構の書き方」は、反応機構について丁寧に分かりやすく教えてくれます。
参考書「有機反応機構の書き方」は、反応機構の書き方の本質を解説してくれるので、この参考書を使って正しく勉強すれば、応用の効く力が必ず身につきます。
練習問題でアウトプットできる
参考書「有機反応機構の書き方」では、反応機構の書き方の解説の後に、練習問題が載っています。
「反応機構の書き方」の理論や説明を読んでインプットしたすぐ後に、「練習問題」でアウトプットできるので、知識の定着がハンパなく良いです!
「練習問題」の中には、比較的難易度の高いものや、旧帝大の院試レベルのものも多く含まれています。
難易度は高めですが、「反応機構の書き方」の理論や説明をしっかり理解できていれば、解ける問題ばかりです。
このレベルの反応機構を書けるようになれば、院試はもちろん、研究現場でも通用するレベルに到達できるので、「練習問題」を積極的に活用しましょう。
カバー範囲が広い
参考書「有機反応機構の書き方」では、「ペリ環状反応」や「遷移金属反応」まで扱っています。
この辺の反応は、比較的レベルの高い反応で、学部レベルの授業などでは、深く扱われないことが多いです。
学部レベルの授業では、省略されやすいですが、院試や実際の研究現場では当たり前のように使います。
そのため、大学院を目指す人や有機化学系の仕事をしたい人は、必ずマスターしておきたい反応です。
参考書「有機反応機構の書き方」は、学部レベルでは学ばないような反応も詳しく反応機構を解説してくれており、とても網羅性が高いです。
「有機反応機構の書き方」のデメリット
- 練習問題の解答がネット上にある(英語)
- 量が多い
- 説明がやや堅い
「練習問題」の解答がネット上にある(英語)
参考書「有機反応機構の書き方」には、練習問題が多く掲載されていますが、その回答がネット上に公開されています。
しかも、解答は英語で記載されています。
問題を解くたびに、その都度ネットで答えを探すのは面倒です。
解答ページをブックマークしておいて、少しでも解答を見やすいようにしておきましょう。
解答が英語で書かれていますが、研究者に英語は必須なので、解答くらいは英語で読めるようになることをおすすめします。
量が多い
参考書「有機反応機構の書き方」は300ページを超えるページ数があります。
しかも、出てくる反応例もものすごくたくさんあります。
そのため、最後までやり切るのは、根気が必要です。
しかも、こういった本は1周するだけで、知識が完璧に定着することはあり得ません。
最低でも3周以上する必要があります。
参考書「有機反応機構の書き方」を使う場合は、このとんでもない量を根気強くやり切る覚悟が必要です。
参考書「有機反応機構の書き方」を使う場合は、そこを覚悟した上で取り組んでください。
ただし、この記事で教える方法で、参考書「有機反応機構の書き方」を根気強く周回すれば、反応機構の書き方が身につくことを保証します。
説明がやや堅い
大学レベルの教科書・参考書の多くがそうですが、参考書「有機反応機構の書き方」も説明がやや堅いです。
受験用の初心者用の参考書であれば、親しみやすい口語調で記載されているものも多いですが、参考書「有機反応機構の書き方」の説明は、丁寧ではありますが、やや堅い日本語でなされています。
他の大学レベルの教科書・参考書の教科書も説明が固い日本語なので、参考書「有機反応機構の書き方だけの弱点ではありませんが、デメリットとして挙げておきます。
ただし、プロの有機化学の研究者になると、もっと堅い日本語の説明を読んでいくことになります。
将来、有機化学者になりたい人は、将来の練習も兼ねて、参考書「有機反応機構の書き方」を読み込むのも悪くないと思います。
「有機反応機構の書き方」がおすすめの人
これまでに述べた概要・メリット・デメリットを踏まえて、参考書「有機反応機構の書き方をおすすめしたい人を紹介します。
- 標準レベルの有機化学を学習済みの人
- 院試を受ける予定の人
- 反応機構マスターを目指している人
標準レベルの有機化学を学習済みの人
「有機反応機構の書き方」は、難易度の高い教科書ですので、大学標準レベル(大学での定期テストレベル)の有機化学を勉強済みであることが望ましいです。
反応機構なんて学んだことない!
なにそれ??
このような人は、まず標準レベルの有機化学を学習しましょう。標準レベルの有機化学を学ぶのには、「ボルハルト・ショアー現代有機化学」がおすすめです。
「ボルハルト・ショアー現代有機化学」については、次の記事で特徴や使い方などを紹介していますので、是非ご覧ください。
院試を受ける予定の人
「有機反応機構の書き方」は難易度の高い院試を受ける人は取り組んでおくべき参考書です。
旧帝大の大学院を受験する人であれば、「有機反応機構の書き方」のレベルの問題は解けるようになっておくべきです。
「有機反応機構の書き方」を解けるようになれば、旧帝大レベルの院試にも臆せず立ち向かうことができるようになります。
反応機構マスターを目指している人
「有機反応機構の書き方」は、有機化学を専門とする人、有機化学のプロを目指す人には絶対取り組んでおきたい参考書です!
「有機反応機構の書き方」は難易度の高い教科書ですが、その分、到達レベルも高いです。
有機化学の専門家になりたい人は、このレベルの知識はマスターしておくべきです。
「有機反応機構の書き方」の使い方
はじめの章を通読する
参考書「有機反応機構の書き方」をはじめから読んでいきましょう。反応機構を書くためのポイントがたくさん説明されているので、そのポイントを抑える感覚で読んでいきましょう。
例題をしっかり理解する
参考書「有機反応機構の書き方」を読んでいくと、例題がたくさん出てきます。
この例題を用いて反応機構の考え方を説明してくれます。
この「丁寧な反応機構の書き方の説明」が本書の大きな特徴です。
この反応機構の書き方の説明を、単純に暗記するのではなく、理屈を理解できるまで読み込みましょう。
この例題の「反応機構の理屈」をしっかり理解すれば、全ての有機反応の反応機構を書けるようになります。
問題も解く
例題の後には、基本的に問題が載っています。
この問題も絶対に解いていきましょう。
この問題を解く際は、例題で学んだ理屈を意識しながら解いてきましょう。
この「問題」には難易度が高めの問題も含まれています。
しかし、例題をしっかり理解できていれば、解ける問題ばかりですので、頑張って挑戦しましょう。
解けない問題は、解答を確認し理屈を理解し、もう一度解きましょう。
章末問題も解く
参考書「有機反応機構の書き方」には、各章の終わりに「章末問題」があります。
この章末問題も解きましょう。
この章末問題も難易度が高いですが、全問理解できるまで何度でも挑戦しましょう。
もう1度その章を通読&問題を解く
章末問題を解いた後は、もう1度その章を読み込みましょう。
1度問題を解いた後で、その章をもう1度読み込むことで、「反応機構の書き方の理屈」がもっと深く理解できるようになります。
2回目なので、短時間で通読できます。
もちろん、途中の「例題」「問題」「章末問題」も解きましょう。
次の章に進む
2回目の通読が完了したら、次の章に進みましょう。
次の章以降もこれまでと同様の手順で進めていきましょう。
最後の章まで終わったら、最初から周回する
参考書「有機反応機構の書き方」は1周したら終わりではありません。
何周も周回して初めて、知識が定着します。
1周して満足することなく、最低でも3周以上しましょう。
3周と聞くと大変に感じると思いますが、2周目以降は短時間で周回可能です。
大変なのは1周目だけで、2周目以降は楽チンなので、周回しないのは損です。
「有機反応機構の書き方」の次
参考書「有機反応機構の書き方」をマスターすれば反応機構を書くためのベースは完成しています。
参考書「有機反応機構の書き方」をマスターした後は、どんどん演習を積んでいきましょう。
演習を積むためには、「演習で学ぶ有機反応機構」がおすすめです。
「演習で学ぶ有機反応機構」は基礎レベルから超応用レベルの反応機構の問題が収録されています。
基礎レベルの問題は、「有機反応機構の書き方」は復習がてら、難易度の高い問題はより高いレベルを目指すために取り組みましょう。
「演習で学ぶ有機反応機構」の問題を解く際は、参考書「有機反応機構の書き方」で学んだ基礎知識を思い出しながら解いていきましょう。
「演習で学ぶ有機反応機構」の概要・使い方・難易度などは次の記事で紹介していますので、是非ご覧ください。
「有機反応機構の書き方」のまとめ
有機化学を学んでいく上で、反応機構を書けるようになることは必須のスキルです。
反応機構を書けないのに、研究者を目指すというのは難しいです。
そのくらい、反応機構は有機化学において重要なことです。
また、反応機構を得意にすれば、自身の研究を1段レベルアップできます。
参考書「有機反応機構の書き方」は、「反応機構を書くための理屈」を学ぶためのに最適な参考書です。
将来的に有機化学を仕事にしたい人、既に有機化学を仕事にしているけれど、反応機構を書けない人は、是非、参考書「有機反応機構の書き方」で反応機構を学んでいきましょう!
- 反応機構を書くための理屈が学べる
- 演習問題も付いていてアウトプットの練習もできる
- 解答は英語版がネット上にある
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